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黄昏はいつも優しくて scene75 ~Episode2・Haruka14~ - 2011.05.04 Wed

「篠塚さん……」
「これまで、とことん気をつかってきた。女みたいに抱いたら、おまえは簡単に壊れちまうからな」
「………」
「気をつかわれるのが、そんなに嫌か」
「そんな意味じゃ」
「どんな意味なんだ。望みどうりにしてやるから言ってみろ」
 バスローブを勢いよく剥(は)ぎ取られた。肌に触れてくる手が執拗(しつよう)で容赦がない。これまで、篠塚がいかに気をつかっていたのかがわかる。愛情の交感と欲情の交歓はちがう。瞬が篠塚とのセックスに求めるものと、男女のそれとは違うのだと知った。
「勝手にやっていいのか?」
「篠塚さん……まって……」
「体は応えてる」
 篠塚の指先が触れる感覚にすぐと快感がのぼりつめてしまう。だが、たんなる欲情の捌け口としての行為なら欲しくない。
「篠塚さん、やだ……」
 一方的すぎる。それでも躰は貪欲に篠塚をうけいれ劣情だけが膨れあがっていく。篠塚の名を呼ぼうとして、ふたたび唇を塞がれた。息が苦しい。頭のなかが、じわりと痺(しび)れてきた。意識がとぎれたとたん絶頂がきた。余韻に浸るまもなく篠塚が抱きあげるようにして両脚を抱え込んできた。篠塚がこれからしようとしている行為に瞬は全身を強張らせた。
「いやだ……!」
 瞬が篠塚の名を何度も呼び、そのうち嗚咽(おえつ)を洩らしだした。篠塚がようやく力をゆるめる。瞬は篠塚を押しのけると両腕で頭を抱えこむようにして背をむけた。
「もう、やだ……」
「瞬」
「こんなの、やだ」
「……悪かった」


 沈黙が流れた。
 ようやく気持ちが落ち着いてきた。ちいさく肩で息をつく。すると、篠塚が瞬の名をつぶやき背中に額をおしつけてきた。
「俺はどうしたらいい」
 消え入るような声だった。
「おたがいに言葉が足りない。そう思わないか」
「………」
「このままじゃ何年つきあっても平行線だ。お互いを理解するなんて、とうてい無理だ。おまえだってセックスバディが欲しいわけじゃないだろう。だったら女を抱けばいいんだ」
「僕は……」
「そろそろ心をみせてくれないか。俺は、おまえのことがもっと知りたい」
 瞬が向きなおり仰ぐような目つきでみる。篠塚がふわりと肩を抱いてきた。
「好きなんだ」
 胸が動悸(どうき)を打った。ききなれた言葉であるはずなのに今夜は妙に心の琴線にふれてくる。頬のあたりが火照(ほて)りだした。一体どうしたというのだろう。ひとり歩きしだした情感を持て余してしまう……。
「どうした」
「いえ……」
 瞬が目を伏せると、それまで疑々とした眼差(まなざ)しをむけていた篠塚が咽喉(のど)の奥で笑いだした。


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早瀬 ミサキ

Author:早瀬 ミサキ
わたし、早瀬ミサキのオリジナル小説を紹介しています。ラブシーンは少なく女性も多く登場します。ジャンル上BLを掲げていますが、内容は成人男性のみのメンズラブ(同性愛小説)です。いずれにしても「MEN&MEN」ですので、苦手な方は、ご遠慮下さい。また、記事によりR15指定を含む内容がございます。申し訳ございませんが15歳未満の方の閲覧は、どうかご遠慮ください。

と……ここまで書いておいてナンでございますが、タイトルにございますように、現在、臨時公開場所としてのみの投稿となっております( ̄▽ ̄;)。今後、このブログを他にどのように使用するか検討中でございますこと御了承くださいませ(汗)

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