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黄昏はいつも優しくて2 second scene134 ~Episode・Shinozuka4~ - 2011.05.05 Thu

 その後は自分でも情けないほど理性がきかなかった。
「欲しい」
「篠……」
「嫌かとは訊かない。……どうしても欲しい」
「………」
 はじめてのセックスだった。それまでの行為は瞬の反応をうかがいながら肌を寄せあうだけの抱擁でしかない。篠塚にしてみればスキンシップに近しい。だが、この夜だけは、どうにも歯止めがきかなかった。
 どうしてだろう。瞬は抵抗らしい抵抗をしてこない。いつもの激しい拒絶を感じない。北沢との行為に対する謝罪だろうか。それとも、すでに北沢と……。
 考えれば考えるほど袋小路だ。目の前にいるのが男だということさえ忘れてしまう。
 瞬がわずかな抵抗をしてきた。そのとき瞬に投げた言葉に自分でも辟易(へきえき)としてしまった。
「さっきのおまえは嫌がってなかった。どうしてだ」
 抑えようのない嫉妬心。つくろいようのない傷心を八つも年下の、しかも同性にぶつけている。
 なにをやってるんだ、俺は……。
 このわずかな理性さえも、瞬の中にはいったとき跡形もなく砕け散った。
 瞬という人間には、ひそとした湖畔のイメージがある。ときおり波紋をひろげ、つかの間、水面下をのぞかせるが、すぐと波紋はおさまり、なにごともなかったかのように元の静寂をとりもどす。時折、その鏡のような水面に石を投げ込みたくなる。
 この夜の瞬は、まさにその水面下の顔を篠塚にさらけだしてきた。激しく喘ぎながら、すがりつくように篠塚の背中に腕をまわしてくる。苦痛なのか悶えているのか。そんなことはどうでもいい。あきらかに女とは違う。淫らにのたうつ、なだらかな肢体。それは、これまで抱いたどんな女より篠塚を夢中にさせた。
「もう……」
「瞬」
「おかしくなる……」
 この時の気持ちをどう表現したらいいだろう。支配欲というのが一番ちかいかもしれない。
 相手が女なら、これほど支配することに執着したり愉悦を感じたりはしないだろう。タブーを犯しているという認識が、より篠塚を興奮させた。
 獣欲に支配されているのは己自身だ。わかっていながら瞬の嬌態に目がくらむ。目が離せない。
「もっと乱れろ」
 似たような感覚を以前にも一度だけ味わったことがある。マケインの暴行未遂の夜だ。篠塚の部屋のベッドでみせた表情。あの夜の瞬と今夜の瞬が頭のなかでかさなる。
 このとき自身の口をついてでてきた言葉は篠塚にとって最低の言葉だった。
「愛してる……」
 この言葉は好きじゃない。本当に好きな相手にはいえない、そうおもっていた。だが驚いたことに、瞬はその言葉に涙をみせた。
「……愛してるって」


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早瀬 ミサキ

Author:早瀬 ミサキ
わたし、早瀬ミサキのオリジナル小説を紹介しています。ラブシーンは少なく女性も多く登場します。ジャンル上BLを掲げていますが、内容は成人男性のみのメンズラブ(同性愛小説)です。いずれにしても「MEN&MEN」ですので、苦手な方は、ご遠慮下さい。また、記事によりR15指定を含む内容がございます。申し訳ございませんが15歳未満の方の閲覧は、どうかご遠慮ください。

と……ここまで書いておいてナンでございますが、タイトルにございますように、現在、臨時公開場所としてのみの投稿となっております( ̄▽ ̄;)。今後、このブログを他にどのように使用するか検討中でございますこと御了承くださいませ(汗)

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